とうとう、きやがった。

風邪の奴!!!



ここ3年あまり、風邪とは全く無縁の生活だった。

ちまたでの、『今年の流行の風邪は…』 なんて文句は全くの他人事。

風邪で休む人を 『風邪って、何?』 と疑い出すのも、時間の問題なほどに。



先日のこと。

徹夜明けの作業を終えて、布団に潜り込む。

すぐに落ちて、…数時間…


『誰だ!鼻の穴に何か詰めてる奴は!』


と、飛び起きる。


鼻の穴にギッシリ詰まりまくったゲル野郎。

かんだぐらいじゃ、ウンとも言わず、

ほじったぐらいじゃ、スンとも言わず。


仕方なしに、口で呼吸を…

と思ったものの、素直に空気が入っていかない。

…喉の奥に…なんか…いる…



喉の奥で、ガサガサ、ゴソゴソ。





……

………そう言えば…



小学校の頃。

近所の友達の間で、『アリ水』 なるものが流行っていた。

『アリ水(ありすい)』 というのは、読んで字のごとく、アリの水。


花の蜜に集まっているアリを、何百匹も捕まえ、空き瓶に入れる。

そこに、水を入れて、シェイク!シェイク!シェイク!

すると、その水が、とっても甘くなる。


僕たちは、罰ゲームとして、遊びで負けた人に、

『アリ水、一気飲み(もちろん、アリごと)』 を、決めていた。


負けることの多かった僕は、ホントよくアリ水を飲んだものだ。


アリ水を飲むにはコツがある。

シェイクが終わるや否や、『一気 に流し込む』 こと。

ゆっくり飲むと、最初は甘くていいのだが、後半、大変なことになる。


ビンの底に溜まったアリは、完全に死んだわけじゃない。

ゆっくり飲んだ故に、ビンの底に溜まったアリたち。

それを、無理やり飲み込もうとする。

すると、もがくアリたちが、ノドチンコの辺りで止まる。


喉の奥で、ガサガサ、ゴソゴソ。



………

……

…アリ水って…何?


…なんだ?この記憶は?

まったく覚えの無い過去がよみがえってくる。

それほどまでに、僕の頭は、ボ~っとしているというのか…



しかし、喉の奥では、間違いなく、ガサガサ、ゴソゴソ…

俺は、喉の奥のアリ達を燻り出そうと、

タバコに火をつけた。


ゲボゲボイゲボゲボ!!!!!!




…ネヨウ。。