2004年12月

プレゼント交換

12月17日の話

今更ながら、ファニスケ忘年会でのこと。

いつものように大将が、
「ファニスケが今までやった事のない事。
 つまり、ファニスケには似合わない、と思ってきた事。
 を、やってみよう!!」

と言い出したことから、やることになった。

ファニスケ初の、「プレゼント交換」
俺はファニスケの、「糸の切れた操り人形」として、
プレゼントのシステムを作ることに。

「プレゼント交換システム」
まず最初に浮かんだのが、紙で作ったくじ引き。

でも、ファニスケ最後のイベントで、
そんなちゃっちい事をするわけにはいかない。

ファニスケを強烈に印象に残す為の、
「プレゼント交換」でもあるわけなのだから。

俺は机の引き出しから、ボール紙と紐を取り出した。

① ボール紙で長さ40cm、直径4cmの筒を作る。
② 1メートルの紐を15本用意。
③ ②を①の中に通し、筒の両端から紐を出す。
④ 完成!


あとは、紐の片方にそれぞれプレゼントを付け、
もう片方の紐を客に握ってもらう。
しかし、筒によって、紐がどのプレゼントに繋がっているかわからない。
最後に、筒をハサミで開くと・・・

・・・完璧だ。

飲み会も1時間30分を過ぎてきた頃。
みなから、「プレゼント交換まだ?」との雰囲気が立ち込め始めた。

しかし、俺はジらした。
もう少し、気持ちを煽ってからプレゼント交換じゃ!

残り15分を切ったところで、
「さあ、お待ちかね!プレゼント交換です!!」

子供のようにキラキラした視線、
野獣のようにギラギラした視線が集まる中、
俺は、もったいぶって取り出した。

「プレゼント・交換・マッシ~~~~ン!!!!」

「おおお~~!!!」
喚声がどよめく。
・・・と思ったが、みな逆に息を呑み込んだ様子。

それぞれが持ち寄った、大きさ、形、色、様々なプレゼントが机に並ぶ。
俺は、紐の先にセロテープでそれらを付けた。
急の参加となり、プレゼントを用意してなかった人も、
ちょうど持っていた、読みかけの本を紐に付けた。

そして、俺は、
「さあ、どうぞ!!!お選びなさい!!!」
と、紐の先をみんなの前に差し出した。

「おおお~~~!!!悩むぜ~~~」
・・・悩まなかった。

みな意外とあっさり紐を選んだ。
俺は、前もって用意していた、
「まあまあまあまあ、喧嘩しないで」
という台詞を飲み込んだ。

全員が紐を握ったところで、いよいよフィニッシュ!!

俺はハサミをみなの前に掲げた。
「このハサミで、この筒をオープンします!!」

みなの緊張が紐を伝わって、マシーンを小刻みに揺らす。
俺はそんなことかまわずに、マシーンにハサミを当てた。

「イキマ~ス!!!」

俺は一気にマシーンを切り開いた。

・・・
・・・
・・・紐、グチャグチャ~!!!
・・・
・・・

散々だった。
絡まりを解こうと、何人かが紐を手放し、
・・・どれを選んだか不明に。

強引に引っ張って、プレゼントから紐が外れ、
・・・どれを選んだか不明に。

「ま、まあ、こんなファニスケですが、来年もよろしくお願いします」

みんなの温かい視線が、うれしかった。
サンキュ。

ふたりはプリキュア

12月23日
仕事で川越プリンスホテルに行ったさ。

前に俺が書いた「ふたりはプリキュア」のショー脚本が、
ファミリークリスマスディナーショーで上演される、
ってのもあって、イベントの補佐的な仕事で。

「ふたりはプリキュア」ってのは、テレ朝、日曜の朝にやってる、
 目指せ「セーラームーン」ってな、人気アニメ番組である。


今年の夏以降、全国の遊園地とか、デパートの屋上なんかで、
やってたらしいんだけど、なかなか行く機会がなくて、
実際どんな仕上がりになってんのかな、って気にもなってて。

当日は、舞台袖からいろんな手伝いをしながら、
幕の隙間からのぞく形だったけど、
子供達の喜ぶ声とか、笑い声、悲鳴なんかが、
絶え間なく聞こえてきてたから、
まあ、一応の合格点かなあ、なんて思ったりして。

とは言っても、そのキャラは東映さんの人が創ったモンだし、
子供達が食いついているのは、
大半が脚本のおかげじゃなくて、目の前にいる着ぐるみだよな。
って、事実も頭を過ぎるが故、
「きちんと仕事したかな」って、思いで満足は打ち止め。

 「いやいやいやいや。
 来年はファニスケが人気キャラ作るもんね」


って思ったら、超前向きになったけど。

でもって、せっかくだから、今回の舞台裏も楽しみましょ。
って事で、写真撮ってみやした。

プリキュア大好き子供がこの写真見たら、大泣きだろうね。
だって、「生首」だもん。
  041223_1202001.jpg041223_1201001.jpg




・・・だめだ~!!





現場はもっともっとオモロイ人とか、出来事あったのに、
「仕事関係者がこのHPを見るかも」
って思うと、当たり障りのねー事しか、書けね~。

早く書きたい放題書ける人間になりて~!!! 

次回は、いつものスタイルにしよっかな。

嘘の美学。その①

*今回はちょいと、マジメな話。

今まで書いてきた脚本で、圧倒的に多いのが、
喜劇、コメディー、コント。

で、そんな芝居を選び、そんな戯曲を読む事が多い。
すると、「笑い」を産むため、「笑い」を転がすために、
「嘘」をきっかけとしている事が、割と多い。

大好きな三谷さんも、一つの「嘘」がきっかけで、
ハプニング、パニックに陥っていく作品が割りと多い。

だからと言うわけではないが、
俺も、嘘から始まる、嘘に行き着いてしまう話が大好き。

これは作品に限ったことではなく、
日常でも、楽しい嘘。
人を楽しくする嘘。
まあ、ジョークと紙一重の感もあるけど、
そういったものが大好き。

で、なんで「嘘好き」になったのか。
「嘘の美学。その①」
と題して、そんな俺の原点のお話。

俺がまだ幼稚園生だったとき。

俺は、母親と、友達のヒロコちゃんと、その母親、
4人でバスに乗って幼稚園に通っていた。

しかし、その日に限ってなかなかバスが来ない。
母親同士は、不思議に思いながらも、
「そのうち来るでしょ?」
と言わんばかりに、おしゃべりをしている。
ヒロコちゃんは、母親に寄り添って眠い目を擦っている。

俺は一人することもなく、寂しい気分だった。
『他人がする事がある。俺はすることがない』、
この状況は子供、大人関わらず、
寂しい気持ちにさせるものだ。

この状況を打破するためには、
「バスが来る」
俺にはこれしか方法が無かった。
バスが来れば何かが変わる。

しかし、バスが来る方を眺めても、全く来る様子が無い。
俺の寂しさは、次第に増していった。

この時だった。
俺が人生で初めての嘘をついたのは。
俺は、3人に向かって大声を上げた。

「バス、来たよ!!!」

俺は期待していた。
3人が俺に注目してくれることを。
嘘をついて怒られることなんて、どうでもよかった。
とにかく、俺を見てくれ!!
その思いだけで、嘘をついた。

・・・が、しかし!!!

しかし俺の期待は見事裏切られた。
母親は、
「あ、ホントだ」
「え!?!」


・・・バスが来たのだ。

俺への注目は、どこへ?
俺の「怒られる覚悟」は、どこへ?
このモヤモヤした気持ちは、数日消えなかった。

「嘘をついたのに、嘘にならない」

嘘のオモシロサを最初に感じた出来事だった。

マスターのオススメ

近所に、俺が大好きな、すごく感じのいい居酒屋がある。
全席15ぐらいの小さなお店で、
夫婦二人で、まじめに、コツコツしたサービスで、
とっても、ココロ篭った料理を出してくれる。
昨夜、いつものように飲みに行ったときのこと。

一人カウンターに座ってマスターと話していると、
一人の男性が入ってきた。
スーツ姿で、ネクタイは無く、
スッとした、なかなかかっこいい男性。

男性はカウンターに座り、静かに店内を見回した。
どうやら、初めてこのお店に来た様子。

それから、
「ビールをいただけますか?」と、
やや丁寧な口調で注文した。

どこで、何やってる人なんだろう?
俺は早速気になりだした。
なんとか、話しかけるきっかけを、と探っていたが、
男性の、眉間にしわを寄せ、
目を細めて遠くをみているような表情に、
なかなかチャンスを見出せずにいた。

奥さんがビールを持ってくる。
「ありがとうございます」
またも、丁寧な渋い声。
奥さんが、
「おつまみ、どう致しましょう?」
と聞くと、
「オススメはなんでしょうか?」
と、いきなり聞いた。

メニュー表なり、壁のお品書きなり、
自分の目でメニューを見ることはほとんどなく、
完全なお任せを望んでいるのか?

*ちなみに俺はメニューが大好きで、
 どんな店に入っても、マジマジと眺めている。
 だから、ファミレスなどで、
 「メニュー、お下げいたします」 
 と、言われると、
 「置いといてもらって、いいですか?」
 と、必ず、言っている。
 その後、注文することは、ほとんど無いが・・・


「オススメは?」と聞かれた奥さんは、
マスターに視線を送った。
マスターは、
「今日は、やりいかの刺身、さんまの刺身、
 熊本地鶏のネギ塩焼きも、おいしいと思います」

と、答えた。

地鶏のネギ塩焼きは、俺も大好きで、毎回頼む一品。
男性は、
「では、そちらをお願いします」
と再び、一人、渋い顔で世界へ入っていった。

少しして、料理が出された。
小さなカウンターは、3品でいっぱいになった。
男性は、それをビールと交互に口に運ぶ。
丁寧に味わって食べる姿に俺は好感を持った。

それから、どんな感想を言うのかなあ?
との期待が膨らんだ。
この丁寧な男性。紳士とも言える男性が、
どんなコメントするんだろう?

・・・
・・・
・・・沈黙が続く。

男性は決まったペースで、ビールとお摘みを口に運び、
両方が、ちょうどのタイミングで空になった。
見事!
まるで、カレーを食べる時、
ご飯とルーの割合を考えながら、
いい感じで、最後の一スプーンを終えたような感じ。

きっと感想コメントはここだー!!
さあ、男性何を言ってくるか?
俺だけじゃない。
マスターも奥さんも、その男性に注目している。
さあ、何を言う?

・・・
・・・
・・・お勘定お願いします。

・・・ん?それだけ?

男性は、静かにお金を払い、
「ごちそうさまでした」
と、丁寧なコトバを残して、暖簾をくぐっていった。

「オススメは?」
と聞いておいて、感想は無し。

あれだけ丁寧な男性が、
「おいしいです」の一言を、
なぜ言わなかったのか?

本当においしい料理ばかりなのに。
「今度会ったら、絶対話しかける」
俺はそう心に決めて、店を出た。

ラブドンキー

チャリンコ買ったさ。
大好きなドンキホーテで。

今までの愛車が俺のハンドリングに絶えられなくなって、
いきなり、チェーン崩壊。

行き着けの自転車屋で直してもよかったんだけど、
行ってみたら、パンクだなんだで客が多かったもんで、
ちょい腹が立った俺は、その自転車屋から、数メートル離れたトコの、
ドンキで購入を決めた。

「一人客逃したな。あの自転車屋。ふふふ」
との訳のわからない優越感で、ドンキに着いた。

しかし、ドンキに着いたはいいが、肝心のチャリが売っていない。
俺の記憶では、この間まで、店先に並んでいたのに・・・
なぜチャリが無い?

そこへ、栃東のような顔の女店員が通りかかった。
俺は、栃東に「自転車売り場はどこでごわす?」
と尋ねた。
すると、栃東は、
「6Fです~」

俺は勝手に、
「6Fでごわす」
と変換して、6Fへ向かった。

6Fに着くと、お~!ありました~!激安チャリンコ~。

*ちなみに中野区では、撤去され自転車を取り返すのに、5000円。
ドンキでは、新品を8000円で売っている。
5000円払ってボロイチャリを取り返すなら、
8000円払って新品を買ったほうがいいじゃん。
と、区民の9割が考えている。


小市民なのにプライドがある俺は、
激安の中でも二番目に安いチャリに目をつける。
「別に、金が無いからドンキで買うわけじゃないんだぜ」
と言わんばかりの態度で。

んなこんなで、ワインレッドの棒ハンドルのチャリを選ぶ。
で、近くにいた店員に、
「これ下さい」
と告げた。

すると、
「お会計は、レジでお願いします」
との答え。

「う、あ、はい」

まあ、会計は大概レジだけど、
でも、俺が買うのは、自転車ですよ?ジテンシャ?

そうも思ったけど、
言われるままにチャリンコを持ってレジに並ぶ小市民、俺。
やっとこさ、自分の番が来る。
すると、レジの兄ちゃんは、チャリンコに付いた値札を、
バーコードの機械で
「Pi!」

「俺が買ったのは、自転車ですよ?自転車。
 何か間違ってませんか~~~?」


そう思いながらも、
俺は言われるままに、9700円の支払いを済ませる俺。

「まあ、この後、自転車購入者に対する接客があるんだろうな・・・」

・・・はい。ありませんでした。


レジの兄ちゃんは、自転車にドンキのテープをちょこっと貼り、
「ありがとうございました~」

「え、え~と、この後俺はどうすれば・・・・」


何のイベントも起こらなかった。

自転車のメンテナンスも無く、
防犯登録の手続きもなく、
1Fまで運んでくれる様子も無く・・・・

レジ先に構える、異様に大きなエレベーターが、
俺と自転車を待っているだけだった。

俺は買ったばかりのニュー愛車を転がし、
エレベーターの中へ。
同乗した客に、なぜか、恥ずかしさを感じながら1Fへ。

「まだ、何かある。何かしてくれる。
 だって、俺が買ったのは、自転車ですよ?」


「簡単に諦められるか!
 俺が買ったのは、自転車だぞ?」


しかし、そう考える分だけ、虚しさは、増していった。

俺の中で今年最大の買い物だったはずの自転車購入は、
まるで、消しゴムを買ったかのような感覚で終えた。

ドンキよ。その割り切り営業、大したもんだ。
でもな、町の自転車屋に、負ける日はすぐそこだ!!


俺は今まで愛した傷負いチャリンコを引いて、
自転車屋に向かった。

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